◾️文人画から生まれた天才竹工芸家
こんにちは、買取担当者の長尾です。
今回は、現代竹工芸の第一人者といっても過言ではない初代田辺竹雲斎と江戸中期の文人画家柳沢淇園(通称:柳里恭)についてのエピソードで、初代竹雲斎ははじめ大阪住吉の初代和田和一斎の下で修行を重ね、明治中後期にかけての内国勧業博覧会などで活躍をするのですが、その後、柳沢淇園(柳里恭)の籠の画に出会い、画とはいえ、その大胆な形状と繊細な編み込み衝撃を受けます。
柳沢淇園の描いた竹花籠の模写から柳里恭様式と呼ばれる独創的な作品を造りだし、大正年間には大正3年の大正天皇大阪府行幸の際に「柳里恭式釣り花籠」が展覧の賜りを受け献納、また、大正14年の「柳里恭式花籃」がパリ装飾美術博覧会にて銅賞を受け、竹編み職人としてではなく作家としての地位を確立、竹工芸家としてはじめて個展を開きました。
昔も現代も多種多様な職種な人々との繋がりが、作品に大きく影響をあたえているのがわかりますね。私たちのこの古物商という仕事も、多くの作家を見るのはもちろんの事、自然や食事など多種多様な事柄から美的センスを磨くのも大事だと考えています。
これからも古美術丸尾をよろしくお願いいたします。