今回は、現代竹工芸の第一人者といっても過言ではない初代田辺竹雲斎と二代目田辺竹雲斎をご紹介いたします。
初代田辺竹雲斎
▲写真の作品は初代田辺竹雲斎作「宗全籠」
1877~1937(明治10~昭和12)
尼崎藩御殿医田辺家の三男として生まれる。近くに竹編み職人がおり幼少の頃より竹に親しむ。
12歳の頃に大阪で当事の名人と言われた初代和田和一斎の弟子となり、24歳の頃に独立、この際に和一斎の別号竹雲斎を譲り受ける。
以降国内外の博覧会に出品を重ね、竹工芸家としての地位を築いた第一人者の一人として高い評価を受ける。
作風は、主に唐物写しを得意として大胆で荒々しい作品を多く残す一方で、古い竹製の矢をそのまま装飾として用いて深みの有る古矢竹様式や、南画家柳沢淇園(柳里恭)の花籠図をもとに創作した柳里恭様式など独創性にあふれている。
二代田辺竹雲斎
▲写真の作品は二代田辺竹雲斎作「煤竹網代短冊形掛花籃」
1910~2000(明治43~平成12)
初代竹雲斎の長男として生まれる。
幼少の頃より父の下で竹工芸の修行を重ね、大正14年15歳の頃に個展を開催。その際に小竹雲斎の号を受け、父の没後に二代竹雲斎を襲名。
その後、帝展、新文展、日展を中心に出品を重ね、昭和27年日展にて「螺旋文花籃」で特選浅倉賞を受賞。
その他、昭和34年大阪府芸術賞、56年勲四等瑞宝章、58年紺綬褒章を受ける。
作風は初代とは対照的に細やかな亀甲や鱗文を何重にも編みこんだ繊細な透かし編みを得意として二代独自の芸術世界を表現した。