今回は、辻清明の作品、「信楽釘花入」をご紹介いたします。
辻清明の作家紹介は↓をご覧くださいませ。
この作品はいわいる茶席用の掛け花入れなのですが、その形状がとってもユニークで「釘」の形をしているのです。釘といっても日本古来から使用している「和釘」です。信楽の焼き肌と鉄の質感が似ており、遠くからみると違和感がないです。
また、余談ですが、洋釘はまっすぐ突き刺すことのみで木と木を接合しますが、和釘はとても柔らかく打ち込む際に、木の中で折れ曲がります。そのため、一度打ち付けると簡単にははずれず、とても丈夫です。日本の古くからの知識と技術はすごいですね!
そして、その和釘の古さを表現したくびれた形状、金具にはあえて鉄を錆びさせており、時代を統一させています。小品ですが、さすが辻清明と思える世界観を感じる事のできる一品でもあり、茶室のわび・さびにも通ずる作品といえます。