■辻清明(つじせいめい・本名きよはる)
1927年1月4日東京都世田谷にうまれる。
1941年姉輝子と共に辻陶器研究所を設立。
1940年新匠工芸展出品。
1948年札幌丸井個展。
1952年新工人会設立。
1952年53年光風会展工芸賞受賞。
1955年現代生活工芸協会会員。
1955年妻で陶芸家の辻協と多摩に登り窯を築き、辻陶器工房を設立。
以後、国内外での個展や協との二人展を中心に活動。
主な個展、63年五島美術館、68年シドニー・ボナイスン画廊、73年西ドイツ・ヘニッシ画廊、87年ミュンヘン・ヤーンギャラリーなど、また、82年西武美術館にて作陶45周年記念展、99年伊勢丹美術館にて作陶60周年記念展を開催。64年日本陶磁協会賞、83年日本陶磁協会金賞、90年藤原啓記念賞受賞。
2008年4月15日肝臓がんにて没
■概要
骨董や古美術を愛好した父辻清吉の4人兄弟の末子として生まれ、その父や出入りの古美術商の影響もあり、幼少の頃より焼物に興味を持つ。学校に行くよりも轆轤を回し陶芸に没頭。以後、信楽を中心に唐津、伊賀、灰釉などの作域を研鑽し板皿、酒器などに特に秀でた作品を制作。茶碗、水指などの茶陶にも風格の有る作品が見られ、国内外で高い評価を受け、海外コレクターも多く、美術オークションでも人気の現代陶芸家の一人。
また、自身も世界のガラスコレクターとしても知られ、エジプトのコアガラス、シリアのローマングラス、ルネ・ラリック、日本の江戸切子に至るまで蒐集。自らもガラス制作にも取り組み、ガラス作品の個展も開催。