■中里 重利(なかざと しげとし)
1930年 人間国宝中里無庵の三男として唐津に生まれる
1952年 日展 初入選
1965年 日展にて「三玄壷」が特選北斗賞を受賞
1973年 唐津市神田山口に「三玄窯」を築窯
1976年 日展審査員となる
1985年 佐賀県芸術文化功労賞を受賞
1989年 日展評議員となる
◯中里重利作 「唐津焼 粉引茶碗」
◯中里重利作 「唐津茶碗」
■略歴
佐賀県唐津市出身の陶芸家で唐津焼で多くの功績を残した陶芸家が中里重利です。重利は、江戸時代から続く伝統的な唐津焼の家系、12代中里太郎右衛門の息子であり、13代中里太郎右衛門として活躍をしていました。父親が、唐津焼の復興を完全に再現した事でも広く注目されましたが、その名声の圧力にも屈する事が無く、また新たな独特の世界観を築き上げる天才としても名を知らしめて行きます。
中里重利の特徴としては、家系は関係なく、一人の陶芸家としての真実を突き詰めつづけたのです。その為か、父の姿や名声に惹かれて陶芸の道に飛び込んだのでは無く、何と陶芸の先生の轆轤を観てからこの世界に入ろうと決心したとの事です。
20代で日展に初入選。そして、特選北斗賞なども受賞。作風としては、絵唐津向付、唐津三作茶碗さらには、茶入、朝鮮唐津の水指といった茶陶を中心に制作しており、 伝統的な家訓を守りながらも、自らでは、粉引に始まり、黄唐津、青唐津の壺、さらには三島唐津など唐津焼で作る事ができるものを全般的に手掛けています。その功績からか、様々な賞を送られている事でも知られています。 九州山口陶磁展審査員、さらに日展評議員、そして県政功労者知事表彰など。また、地域文化功労者文部科学大臣表彰なども受賞しています。