◾️北村西望(きたむらせいぼう)
・1884(明治17)年~1987(昭和62)年
・長崎県出身
・日本芸術院会員、日展名誉会長、日本彫塑会名誉会長
◾️主な受賞
文化勲章、文化功労者、紺綬褒章など
◾️略歴
当初は長崎県師範学校に進学していたが、病気の為中退し、1903年に改めて京都市立美術学工芸学校彫刻科に、1907年より東京美術学校彫刻科に学び、共に主席の成績を残す。
在学中の1908年第二回文展に「奮闘」が初入選し、以降、文展に出品を重ね、1916年第十回文展で「晩鐘」で特選を受賞。
文展から帝展に変わった1919年第1回帝展より審査員を努め、21年より母校東京美術学校の教授を務め、25年には帝国美術院会員に就任、33年より東邦彫塑院顧問に就くなど、後進の指導にも従事。
またこの頃より戦前~戦中にかけては「児玉源太郎大将騎馬像」、「山県有朋元元帥騎馬像」などといった軍人をモチーフとした戦意高揚を意図した彫刻作品を多く残したが、戦後になると自由な表現を取り入れ、平和や宗教をモチーフとした作品を手がけ、1955年には代表作となる「長崎平和記念像」を4年の歳月を掛けて完成させ、日本を代表する彫刻家、芸術家の一人として世界からも評価された。
102歳という長寿であったが、87年3月4日心不全にて没。
最晩年まで制作意欲は衰えず同年1月東京都板橋区役所新庁舎前に設置された「平和を祈る」が絶作となる。