神奈川県逗子市のお客様より番浦史郎作品を始め多数の作家作品を出張買取させて頂きました。

9月3日（土）神奈川県逗子市のお客様より番浦史郎作品を始め多数の作家作品を出張買取させて頂きました。

◼️ご相談

お電話にて「陶芸家番浦史郎の作品があるのですが買い取っていただく事はできますか？」、また「関東の神奈川県なのですが来てもらえるでしょうか？」とご相談を頂きました。

当店では、ご相談の内容を詳しくお聞きする事によって全国無料出張をさせて頂いております。今回も内容をお聞きすると昔、番浦さんと親交があり、多数の作品を個展などで購入されたとの事。また未使用の状態で整理を考えていて数も30点ほどあり、京都に縁のある作家さんだったので京都の買取業者を選びたかったとの事で当店へお話を頂きました。

このようにお品物の状態や品数がある程度、把握できますと当店としては遠方でも出張にて買取をさせて頂きたいと思います。
しかし、残念ながらこの「番浦史郎」という作家さんは以前20年～30年前ですと人気もあり業者オークションでも高値で取引をされていた作家の一人なのですが、現在は時代とともにコレクターの好みが変わりその時に比べるとかなり相場が下っております。お電話でのお話でも「個展で数十万円で購入した作品でも数万円、もしかしたら1点、数千円の査定になるかもしれません」と正直に現在の相場をご説明させて頂きました。しかしながら、「それでも構いませんので、ぜひ、丸尾さんにお願いしたいです。」とお言葉をいただき、出張買取させていただく事となりました。

◼️査定

さて、当日にお家にお邪魔させていただきますと屋根裏部屋にたくさんの作家作品を仕舞われておりました。

まずはご相談いただいていた番浦史郎の作品をお客様と一緒に探し出してまとめて行きました。すべて出し終え数えますと番浦作品は全部で28品をお持ちで、まな板皿や飾皿、銘々皿、菓子鉢、酒器、湯呑み、会席のお皿などなどお電話の通りどれもが箱から開けるのももったいないような新品未使用の個展で買われたままの状態でした。

お客様と一緒に箱を開けて中身を確認していくと、「やっぱり番浦さんはいい仕事をされていたなあ」「この大きな飾皿は50万円以上で購入したのだよ」「こっちの湯呑みで7万円ぐらいだったかなあ」と懐かしむようにお品お品ごとのエピソードをお聞きしながら1点1点ずつに個別に査定をさせて頂きました。28点全て査定が終わった段階で一応のご説明をさせて頂くとやはり「覚悟はしていたけどもそんなに安いのですか・・」と驚きを隠しきれないご様子でした。

正直に申し上げますともっとも難しい買取のひとつが個展で数十万円あるいは数百万円にて作品を買われている方のお品物です。当時としての人気作家の作品を購入方法は直接窯元や個展、ギャラリーが主となるため、大変高額な買い物となっておりました。しかしながら、現在はインターネットオークション、ネットフリマなどが普及し、手軽に業者相場並みの金額で購入できるため、余程人気な作家さんの作品や珍しい作品ではない限り、当時の購入金額と買取金額の差が大きくなってしまいます。こちらとしては相場ぎりぎりまで査定をしているつもりでも、本当に心苦しい買取金額になってしまう事が多いです。

作家作品は小品のが人気!?

また、こういった作家作品によくあることなのですが、現在の需要と使用用途の経緯により、大型な作品より小品の物で、数が多く揃っている作品の方が買取査定が高くなる傾向にあります。今回でいう、まな板皿などは番浦史郎の中では代表的な作品で大きく見た目も煌びやかであるのですが、家庭でも料亭でも使用する機会が少なく、難しいものであります。それよりも小鉢や小皿、向付、急須や湯呑みなどの方が現在の生活で使いやすく料亭でも重宝されるため買取価格が高くなる事が多いです。

上記の事も合わせ全てご説明をさせて頂くと、「もう少し何とかなりませんか？」という事で、こちらも数もあり新品未使用と言う事もあり、キリのいい金額までトータルで数万円のプラス査定をさせて頂きました。

すると、まだ、番浦史郎の作品のほかにもあるので見るだけでも見て欲しいとの事で再度、屋根裏部屋へ。
そのほかにも作家作品多数あり、追加で酒井田柿右衛門の酒器揃、佐伯守見のぐい呑、伊藤北斗の水滴、伊藤東彦の菓子鉢、湯呑み、山本雄一の備前焼徳利などなど拝見し、査定させて頂きました。また、親族から譲り受けたらしいのですがこの「この大きい飾皿何とかなりませんか？保管に困っていて・・・」という事で伊万里焼窯元松右衛門の直径1メートルぐらいの飾皿もしっかりと査定させて頂きました。

◼️買取・終わりに

全てご説明をさせて頂くと、「番浦史郎作品を全て整理するには忍びない」という事で番浦史郎作品の特色が良く出ていた金彩釉をあしらったまな板皿をお残しされる事になり、当店としても「そのほうがいいですよ、是非お残しください」とおすすめさせていただきました。

そのほかの、番浦作品を含むたくさんのお品物もご納得を頂きお譲り頂く運びとなりました。本当にありがとうございます！初めのうちは買取査定金額に驚いておられましたが、次第に作家に対する知識や何故その買取金額なのかの説明がしっかりしている事を認めていただけ「今日は本当に助かりました、京都から丸尾さんを呼んでよかった」「まだ片付けないといけない部屋もあるのでまた関東に来るときはご連絡ください」と本当に嬉しいお言葉をいただきました。

こちらこそ、またのご縁を楽しみにしております。

この度は、数ある買取業者の中から当店をお選びいただきまして誠に有難うございます。お譲り頂ましたお品物はまた次の欲しい方へと橋渡しをさせて頂きます。