◼️黒田正玄(くろだ しょうげん)
千家十職のひとつ。竹細工・柄杓(ひしゃく)師を務める400年続く家系。
製品は柄杓、台子、香合、花入等を始めとした竹細工全般に及び、家元茶杓の下削りも手掛けています。明治維新に至るまで将軍家御用柄杓師を務めました。
初代 黒田正玄 1578年(天正6年)~1653年(承応2年)
初代黒田正玄は越前国黒田郡の出身で、名を七郎左衛門(後に正玄)、俗称を日参正玄といいます。当地の丹羽長重に仕えますが、長重が関ヶ原の戦いで改易された為、剃髪して「正玄」と改名し、近江国大津で竹細工を業としました。
「天下一」と称されていた一阿弥に師事したとされています。
後に上京して小堀遠州に茶の湯を学び、その推挙で将軍家御用柄杓師を務めました。
茶の習得に遠州に日参した為、「日参正玄」と呼ばれました。大徳寺156世江月宗玩に参禅した事でも知られています。
2代 黒田正玄 1626年(寛永3年)~1687年(貞享4年)
2代黒田正玄は初代黒田正玄の三男として生まれました。名を宗正(後に正玄)といいます。小堀遠州の推挙で3代将軍・徳川家光の御用柄杓師を務めました。
3代 黒田正玄 1656年(明暦2年)~1717年(享保2年)
3代黒田正玄は2代黒田正玄の長男として生まれました。
名を弥助(後に正玄)、号を正斎といいます。
5代将軍・徳川綱吉の御用柄杓師、表千家6代覚々斎宗左、久田家3代徳誉斎宗全の御用を務めました。1704(宝暦元)年、長男・弥吉に家督を譲って隠居し、「正斎」と号しました。
4代 黒田正玄 1692年(元禄5年)~1731年(享保16年)
4代黒田正玄は3代黒田正玄の長男として生まれました。
名を弥吉(後に正玄)といいます。5代徳川綱吉の御用柄杓師、表千家6代覚々斎宗左の御用を務めました。この代より千家職家となりました。
5代 黒田正玄 1708年(宝永5年)~1778年(安永7年)
5代黒田正玄は4代黒田正玄の養子です。
名を才次郎(後に正玄)といいます。8代徳川綱吉の御用柄杓師、表千家7代如心斎宗左、裏千家8代一燈宗室、武者小路千家7代直斎宗守の御用を務めました。
6代 黒田正玄 1747年(延享4年)~1814年(文化11年)
6代黒田正玄は5代黒田正玄の次男として生まれました。
幼名を正次郎、名を弥吉(後に正玄)、号を弄竹斎・玄同といいます。
10代徳川家治の御用柄杓師、表千家8代啐啄斎宗左、裏千家9代石翁宗室、武者小路千家8代休翁宗守の御用を務めました。上京町年寄を務めました。
7代 黒田正玄 1768年(明和5年)~1819年(文政2年)
7代黒田正玄は6代黒田正玄の養子です。
幼名を弥三郎、名を弥吉(後に正玄)といいます。
11代徳川家斉の御用柄杓師、表千家9代了々斎宗左、裏千家10代認徳斎宗室、武者小路千家9代好々斎宗守の御用を務めました。上京町年寄を務めました。
8代 黒田正玄 1809年(文化6年)~1869年(明治2年)
8代黒田正玄は7代黒田正玄の長男として生まれました。
幼名を熊吉、名を弥吉(後に正玄)といいます。
12代徳川家慶の御用柄杓師を務めましたが、明治維新によって将軍家の庇護を失いました。
9代 黒田正玄 1837年(天保8年)~1859年(安政6年)
9代黒田正玄は8代黒田正玄の養子です。
幼名を弥一郎、名を弥吉といいます。早世しました。
10代 黒田正玄 1825年(文政8年)~1900年(明治33年)
10代黒田正玄は8代黒田正玄の婿養子です。
名を利助(後に正玄)といいます。
9代黒田正玄が早世した為、師・8代黒田正玄の養子となって10代黒田正玄を襲名しました。1881(明治14)年、長男・熊吉に家督を譲って隠居しました。次男・宗伝も家業に従事しました。
11代 黒田正玄 1869年(明治2年)~1911年(明治44年)
11代黒田正玄は10代黒田正玄の長男として生まれました。
名を熊吉(後に正玄)といいます。
表千家11代碌々斎宗左、裏千家12代又玅斎宗室、武者小路千家11代一叟宗守の御用を務めました。1881(明治14)年、11代黒田正玄を襲名しました。
12代 黒田正玄 1880年(明治13年)~1973年(昭和48年)
12代黒田正玄は11代黒田正玄の長男として生まれました。
名を久万吉(後に正玄)といいます。
父が逝去した時に未だ幼少であった為、黒田常次郎が後見となりました。
13代 黒田正玄 1936年(昭和11年)~2017年(平成29年)
13代黒田正玄は本名を正春といいます。
1966(昭和41)年、13代黒田正玄を襲名しました。
14代 黒田正玄 1967年(昭和4年2)生まれ
14代黒田正玄は13代黒田正玄の長女として生まれました。
本名を益代といいます。
2014(平成26)年、14代黒田正玄を襲名しました。
◼️黒田正玄の作品紹介
●黒田正玄作「竹扇子掛 即中斎書付」
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